GAPの必要性

GAPとはGood Agricultural Practiceの頭文字を取ったものであり、直訳すると「よい農業のやり方」となります。農林水産省では農業生産工程管理と呼んでいます。
具体的には下記を行うことによる、農業の持続性に向けた取組のことです。
ASIAGAP/JGAPはGAPのひとつであり、農場やJA等の生産者団体が活用する農場・団体管理の基準であり、認証制度です。農林水産省が導入を推奨する農業生産工程管理の手法のひとつでもあります。

※ ASIAGAP(アジア・ギャップ)は、Asia Good Agricultural Practice(アジアの良い農業のやり方)の略です。
※ JGAP(ジェイ・ギャップ)は、Japan Good Agricultural Practice(日本の良い農業のやり方)の略です。

SDGsとGAP

農業は、地球環境と密接に結びついている産業です。持続的な農畜産物の生産には、土、水、気温といった自然環境が事業の将来を左右します。
継続的に農業を続けていくには、働く人の安全確保や福祉の充実、人材育成、差別のない職場環境など、将来を担う人材を確保するための取組が必要です。
食料である農畜産物を持続的に生産することは、貧困や飢餓という社会的な課題にも関わります。
日本GAP協会は、ASIAGAP/JGAPの認証プログラムを通して、世界共通の目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献します。

  取組 関連するSDGs目標
信頼される農場管理
  • 農場管理手順の見える化
  • 責任体制の見える化
  • 機械・設備・車両などの点検・整備のルール化
SDGs 8 SDGs 9 SDGs 12 SDGs 17
食品安全の確保
  • 生産工程の整理
  • 食品安全におけるリスク評価とその対策・検証
  • 食品防御や食品偽装の防止
  • 土・水・肥料・農薬・動物用医薬品など資源の管理
SDGs 2 SDGs 3 SDGs 12
環境保全の確保
  • 地球温暖化への対策
  • 生物多様性や周辺環境への配慮
  • 廃棄物の管理や資源の有効利用
  • 地域社会との共生
SDGs 2 SDGs 3 SDGs 6 SDGs 7 SDGs 12 SDGs 13 SDGs 15
作業者の安全確保
  • 作業者の労働安全対策
  • 労働事故の防止
  • 労働災害に対する備え
SDGs 3 SDGs 8 SDGs 12
作業者の人権福祉
  • 労働基準法などの法令遵守
  • 使用者と作業者とのコミュニケーション
  • 差別・強制労働などの禁止
  • 作業者の健康状態の管理
  • 手洗い・トイレ設備の衛生管理
SDGs 1 SDGs 3 SDGs 4 SDGs 5 SDGs 6 SDGs 8 SDGs 10 SDGs 12
家畜衛生の確保
  • 管理獣医師等の健康管理指導
  • 家畜伝染病予防法(飼養衛生管理基準)の遵守
SDGs 2 SDGs 12
アニマルウェルフェアへの配慮
  • 家畜の快適性に配慮した飼養環境の改善
  • アニマルウェルフェアに配慮した家畜の輸送
SDGs 2 SDGs 12

※各取組は様々なSDGs目標と関係します。

消費者の皆様へ ~良い農産物選びは、良い農場選びから~

ASIAGAP/JGAPは「適切な農場管理の基準」であり、GAPの必要性で挙げた「持続可能な7つの取組」に関する100以上もの基準が定められています。
ASIAGAP/JGAP認証は、その基準をもとに第三者機関の審査により確認された農場に与えられる認証です。いわば、「良い農場の目印」なのです。

良い農産物選びは、良い農場選びから。

生産者の皆様へ ~農場管理の仕組みづくり できていますか?~

いつでも安全な農畜産物を生産、出荷したい。
これは農業者の誰もが願っていることであり、また法律的には義務とされていることです。

そのために、あなたの農場には品質管理の仕組みがあるでしょうか? あなたの農場から食品事故を出さないために、重点的に管理すべき作業や責任者は明確になっていますか?

団体の内部で、構成農場の管理状態をチェックする仕組みはありますか?

たった一つの不適切な農場管理が、農場または団体全体の信頼を落とすことになります。

また、農作業でけがをしてしまったら予定通り作業を続けることができなくなり、最悪農業を続けることができなくなるかもしれません。

農業は農場がある土地の水や土を使って営む産業です。その自然環境を汚染してしまったら安全な農産物を作ることができなくなり、収量も減っていく可能性があります。

家族だけでは足りず、従業員を雇おうとした場合、労働安全や人権福祉に配慮しない農場に喜んで来てくれる人がいるでしょうか。

クレームが発生した場合、記録がないから原因も分からず、再発防止策も示せない農場と継続的に取引したいと思う出荷先はあるでしょうか。

これらの問題を解決する手段がASIAGAP/JGAPです。低コストで農場管理の仕組みを構築することができる手法がASIAGAP/JGAPです。

ASIAGAP/JGAPは単なる「適切な農場管理」のチェックリストにとどまりません。 多くの先進的な農場や企業では、これを農場統治や団体統治の手法として活用しています。

ASIAGAP/JGAPを土台として使いながら、「選ばれる農場づくり」の取り組みが進められています。生産側が価格提案力をしっかり持つこと。そのための強いブランドづくりの第一歩がASIAGAP/JGAPです。

製造・流通・販売業者の皆様へ ~仕入商品(原料)の管理 できていますか?~

消費者に安全な農畜産物、食品、食事を提供したいと誰もが願っていると思います。そのために、食品安全の取り組みを行っておられることでしょう。

自分の店舗、工場、それぞれ管理の基準を作成し、ISOやHACCPなども活用しながら努力されていると思います。それでは、仕入商品(原料)の管理はどのようにされていますか?

安全な農畜産物の仕入というのは、難しい課題の一つです。
安全性は目で見ても分かりませんし、不特定多数の生産者の商品が集まる市場流通では、仕入先を管理しようにも限界があります。
プライベートブランドの取り組みでは、会社の命運をかけて食品事故を絶対に起こすことはできません。そのために独自の基準を作って多数の生産者に基準の順守をお願い・指導して回るのは大変な仕事です。

農業は他の産業に比べ天候などの自然条件に左右されやすい産業といえます。それゆえ、少しでも安定的な仕入れのためには食品安全のみならず労働安全や環境保全など持続性に配慮した農場を選ぶ必要が出てきます。

ASIAGAP/JGAPは、これらの問題を解決するための新しい社会インフラです。農業界と流通業界が共同で運営・開発している農場管理の基準であり、認証制度です。

ASIAGAP/JGAPは日本の農業現場に適した基準であり、誰でも利用することができるオープンな基準です。産地管理(産地監査)の効率化とコストダウンに、ASIAGAP/JGAPはきっと貢献できるはずです。