GAPとは

GAPとはGood Agricultural Practicesの頭文字を取ったものであり、農畜産物を生産する工程で生産者が守るべき管理基準とその取り組みのことを指し、「良い農業の取り組み」や「農業生産工程管理」などと訳されます。

農業を続けていくには、人材不足、高齢化、資材コストといった課題や、農業の衛生管理、農薬・動物用医薬品の適切な使用、水の安全性の確保、労働安全の確保など、取り組むべき多くのことがあります。

GAPは、『持続可能な農業』のために生産者が取り組むことをまとめた基準です。
SDGsの17の目標とも親和性が高く、SDGsに貢献できる内容になっています。

JGAP/ASIAGAPは『GAP』のひとつであり、日本で作成された基準です。そのため、国内/アジアに適した内容となっています。

※ JGAP(ジェイ・ギャップ)は、Japan Good Agricultural Practice(日本の良い農業の取り組み)の略です。
※ ASIAGAP(アジア・ギャップ)は、Asia Good Agricultural Practice(アジアの良い農業の取り組み)の略です。

SDGsとGAP

農業は、地球環境と密接に結びついている産業です。持続的な農畜産物の生産には、土、水、気温といった自然環境が事業の将来を左右します。
継続的に農業を続けていくには、働く人の安全確保や福祉の充実、人材育成、差別のない職場環境など、将来を担う人材を確保するための取り組みが必要です。
食料である農畜産物を持続的に生産することは、貧困や飢餓という社会的な課題にも関わります。
日本GAP協会は、JGAP/ASIAGAPの認証プログラムを通して、世界共通の目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献します。

JGAP/ASIAGAPの7つの取り組みとSDGsの関わりを表したチラシです。
ダウンロード可能ですので、ぜひご活用ください。

消費者のみなさまへ ~未来のためにGAP商品を選ぶ~

毎年のように起きる異常気象や天災。毎年更新される夏の最高気温。
環境問題がより身近に感じられになり、地球環境にとって負担の少ないものを選びたい。
そんな思いで商品を選ぶ人が増えてきていると思います。

そんなあなたに知ってほしい。
環境に配慮し、働く人に配慮し、適切に管理された認証農場で作られた農産物、畜産物を。

いま、あなたの毎日の選択が未来を選びます。

生産者のみなさまへ ~農場管理の仕組みづくり できていますか?~

いつでも安全な農畜産物を生産、出荷したい。
これは農業者の誰もが願っていることであり、また法律的には義務とされていることです。

そのために、あなたの農場には品質管理の仕組みがあるでしょうか?
あなたの農場から食品事故を出さないために、重点的に管理すべき作業や責任者は明確になっていますか?
事故が起きたときに原因を追究するために、記録やデータは保存されていますか?
団体の内部で、構成農場の管理状態をチェックする仕組みはありますか?

たった一つの不適切な農場管理が、農場または団体全体の信頼を落とすことにつながります。

農業は農場がある土地の水や土を使って営む産業です。その自然環境を汚染してしまったら安全な農畜産物を作ることができなくなり、収量も減っていく可能性があります。

農作業でけがをしてしまったら予定通り作業を続けることができなくなり、最悪農業を続けることができなくなるかもしれません。家族だけでは足りず、従業員を雇おうとした場合、労働安全や人権の尊重に配慮しない農場に喜んで来てくれる人がいるでしょうか。

クレームが発生した場合、記録がないから原因も分からず、再発防止策も示せない農場と継続的に取引したいと思う出荷先はあるでしょうか。

これらの問題を解決する手段がJGAP/ASIAGAPです。農場にあった方法で、農場管理の仕組みを構築することができる手法がJGAP/ASIAGAPです。

JGAP/ASIAGAPは単なる「適切な農場管理」のチェックリストにとどまりません。 多くの先進的な農場や企業では、これを農場経営を改善し、販路拡大するツールとして活用しています。

JGAP/ASIAGAPを農場管理の基礎として活用し、「選ばれる農場づくり」の取り組みが進められています。生産側が価格提案力をしっかり持つこと。そのための強いブランドづくりの第一歩がJGAP/ASIAGAPです。

製造・流通・販売業者のみなさまへ ~仕入商品(原料)の管理 できていますか?~

消費者に安全な農畜産物、食品、食事を提供したいと誰もが願っていると思います。そのために、食品安全の取り組みを行っておられることでしょう。

自分の店舗、工場、それぞれ管理の基準を作成し、ISOやHACCPなども活用しながら努力されていると思います。それでは、仕入商品(原料)の管理はどのようにされていますか?

安全な農畜産物の仕入というのは、難しい課題の一つです。
安全性は目で見ても分かりませんし、不特定多数の生産者の商品が集まる市場流通では、仕入先を管理しようにも限界があります。
プライベートブランドの取り組みでは、会社の命運をかけて食品事故を絶対に起こすことはできません。そのために独自の基準を作って多数の生産者に基準の順守をお願い・指導して回るのは大変な仕事です。

農業は他の産業に比べ天候などの自然条件に左右されやすい産業といえます。それゆえ、少しでも安定的な仕入れのためには食品安全のみならず労働安全や環境保全など持続性に配慮した農場を選ぶ必要が出てきます。

JGAP/ASIAGAPは、これらの問題を解決するための新しい社会インフラです。農業界と流通業界が共同で運営・開発している農場管理の基準であり、認証制度です。

JGAP/ASIAGAPは日本の農業現場に適した基準であり、誰でも利用することができるオープンな基準です。産地管理(産地監査)の効率化とコストダウンに、JGAP/ASIAGAPはきっと貢献できるはずです。