リスクの高い食品安全危害要因を「機械のネジや部品等の金属異物の残存」、抑制する対策を「磁石の装着」とし、有効性を検証する方法として「磁石の磁力の確認」が必要でしょうか。また、管理点18.2で測定機器の点検が要求されていますが、磁力を計測するテスラメータの校正が必要でしょうか。
管理点と適合基準:ASIAGAP5.6、18.2(技術レター2016年12月号)
磁石は、温度変化・衝撃・腐食等のストレスが加わると磁力が低下してきます。
従って、茶工場での使用環境(熱のかかる工程で使用する等)や使用方法(着脱を繰り返す等)を考慮して磁力が低下していないか定期的に有効性を検証する必要があります。
その際、磁力の有効性の検証方法として数値基準(例えば3000ガウス(0.3テスラ)以上)を定めて実施する場合には、その計測器であるテスラメータの校正も必要になってきます。
但し、ご質問のケースは荒茶工程であり、後工程の仕上茶工程で金属探知器やX線選別機等の異物除去を確実に行っている場合には、後工程に迷惑をかけない程度に磁石を管理するという考え方でよいでしょう。
例えば、所定の場所に適切な方法で装着していることや、砂鉄を定期的に除去して機能低下を防止する等の管理が考えられます。
なお、磁石を長期間ストレスが加わる環境下で使用していた場合には、念のために磁力を計測してみることをお勧めします。
現状、テスラメータを保有している荒茶工場はほとんど無いと思われますが、例えば機械メーカーがテスラメータを保有しているのであれば、機械点検時に磁力も確認してもらってみてはいかがでしょうか。