堆肥の安全性確認において、原料の家畜糞のえさに含まれる抗生物質についても調べなければなりませんか?
※過去の技術レターについて対応する管理点をJGAP2022に変更し、内容も修正しました。
管理点と適合基準:JGAP2022 C6.1.4,ASIAGAP 25.1.3(技術レター2014年12月号)
西尾道徳氏(元筑波大学教授・元農水省環境技術研究所長)のレポートによれば、家畜糞中では抗生物質は比較的容易に微生物に分解されると考えられ、抗生物質そのものよりも抗生物質耐性菌の影響の方が問題であろうとしています。さらに、抗生物質耐性菌は高温堆肥化によってほぼ完全に消滅するとのことです。
家畜ふん堆肥中の抗生物質耐性菌(http://lib.ruralnet.or.jp/nisio/?p=1297)
(独)農研機構の研究結果において、抗生物質の堆肥への移行試験を行った結果、堆肥化過程で90~100%分解したという研究結果もあります。このことからえさに含まれる抗生物質に関する調査は不要であり、むしろ堆肥化時の適切な発酵に留意すべきと考えられます。