洪水等による圃場への汚水の流入など、作物自体が冠水してしまった被害を受けた場合、どのような対応が必要ですか。

※過去の技術レターについて対応する管理点をJGAP2022に変更し、内容も修正しました。

管理点と適合基準:JGAP2022 6.3,6.4,C1.4,C2.1,C2.2,ASIAGAP9.1.1,9.1.2,16.1.1,16.1.2(技術レター2020年1月号)

①農産物(商品)に対して

JGAP2022管理点6.3,6.4,ASIAGAP管理点9.1.1,9.1.2に基づき、商品に関する異常として出荷前の農産物が冠水被害にあった場合の対応を実施してください。
原則として、洪水に浸かった農産物は汚染の有無や汚染物質の特定が困難であり商品として出荷すべきではありません。
まずは行政機関の指導・指示があるかどうかを確認し、指導・指示がある場合はそれに従ってください。指導・指示が特にない場合には最終的に農産物の安全を保証するのは生産者の責任であることを認識した上で管理点C1.4に基づきリスク評価を行い、対応を決定してください。
その際、冠水した地域で有害な化学物質、重金属、放射性物質及び重油等の汚染物質の流出事故があったかどうかの情報も必ずリスク評価に含めて下さい。
また、青果物については腸管出血性大腸菌などの病原微生物を危害要因として必ずリスク評価に含めて下さい。落下したりんご、梨の果実についてはパツリン(かび毒)を危害要因として必ずリスク評価に含めて下さい。

②作物や土壌・培地に対して

JGAP管理点C1.4、ASIAGAP管理点15.4に基づく対応が必要となります。
行政機関の指導・指示があるかどうかを確認し、指導・指示がある場合はそれに従ってください。指導・指示が特にない場合には最終的に農産物の安全を保証するのは生産者の責任であることを認識した上でJGAP管理点C1.4、ASIAGAP管理点15.4に基づきリスク評価を行い、対応を決定してください。
リスク評価については①農産物(商品)と同様ですが、栽培方法や栽培ステージを考慮して実施して下さい。

③今後冠水後に使用する水に対して

行政機関の指導・指示があるかどうかを確認し、指導・指示がある場合はそれに従ってください。
指導が特にない場合にはJGAP管理点C2.1、C2.2、ASIAGAP管理点16.1.1,16.1.2に基づき対応を決定してください。