シルバー人材センターから派遣されている作業者に作業をしてもらっていますが外部委託に該当しますか。

※過去の技術レターについて対応する管理点をJGAP2022に変更し、内容も修正しました。

管理点と適合基準:JGAP2022 5.1,ASIAGAP 7.1.1(技術レター2017年6月号)

シルバー人材センターの提供する業務形態には、主に以下のような種類があります。

①労働者の派遣

②請負・委任契約による業務遂行


①の場合には、シルバー人材センター(派遣元)と農場(派遣先)の間で「労働者派遣契約」を結んだ上で、派遣された労働者は農場(派遣先)の指揮命令下で作業を行います。

②の場合には、シルバー人材センターと農場の間で「請負契約」又は「委任契約」を結んだ上で作業を実施します。作業者は自らの裁量で作業を行い、農場が作業者に対して指揮命令を行うことはできません。指揮命令を行うことができないとは具体的に、仕事の段取りや時間配分等に関して作業者自らが行うものであるということです。

同じように作業を実施しているようにみえても、①と②では責任の所在が異なります。
②の場合には、どのように作業するかについては「請負契約」の中で明確にしていることになり、その通りにできなければシルバー人材センターが責任を負わなければなりません。
①の場合には、派遣先の農場の責任者の指示に従って作業を実施することになり、最終的な責任は農場側にある点に違いがあります。
従って、②の場合にのみJGAP2022管理点5.1、ASIAGAP管理点7.1.1外部委託先との合意を適用する必要があります。

なお、①の場合はシルバー人材センターが農場と労働者派遣契約を締結するとともに、シルバー人材センターと作業者が雇用契約を結ぶこととなり、②の場合はシルバー人材センターが農場、作業者とそれぞれ請負契約を結ぶことになります。
従って、①②いずれの場合であっても農場側が「労働者名簿」、「雇用契約書」、「労災保険」等を整備する必要はありません。

ただし、①の場合、農場側は、労働者派遣法上の派遣先としての責務(派遣期間制限の遵守、派遣先管理台帳の作成等)を果たす必要があります。
また、JGAP2022管理点4.1、ASIAGAP管理点11.7作業者への教育訓練については、シルバー人材センターから派遣されている労働者に対してもその農場の責任で実施する必要があります。